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毛髪を描く(2)



 さて、本番に入りましょう。(お待たせしてすみません(^^;)

髪の毛オブジェクトを生成する

 まず、髪の毛全体をマスクで覆ってオブジェクト化、茶色で塗りつぶします。オブジェクトを生成すると最上段に出現するので、線画オブジェクトを上層に重ねなおして・・・

オブジェクトのαを編集する

 [α]ボタンを叩き、[オブジェクトのアルファを編集]モードに入ります。


 例によって元のオブジェクト輪郭がマスクで保護されるので、これを[マスク]-[マスクの削除](CTRL+R)で解除しなければいけません。
 

 おおまかな輪郭を作ろう

 ここからいきなり髪の毛というのも無理なので、軽く輪郭を削り出します。
 ブラシで[標準ブラシ]-[ソリッド]を選択し、サイズを100前後に設定します。ぼかしを10前後に下げてください。

 色をα編集における非存在の黒に設定します。α編集モードでは、αの明るさがオブジェクトの存在強度を司るため、ブラシの色は明るさを示す白、黒、グレーしかありません。

 では、髪の毛以外のところをなぞってみましょう。筆圧有効のタブレットでやると消し残りがでるので、ここは[ツール]-[オプション]で筆圧反応を切るか、マウスで作業します。私は白か黒かハッキリさせるような処理ではマウスを使う方が安心できます。

 かなりアバウトですが、髪の毛の輪郭ができました。
 ここから、髪の毛らしく削り込んでいきます。

ブラシを設定しよう

 すでに麦藁帽子でいちど「毛髪」というブラシを作りましたが、これをおさらいします。

 おなじみ[ブラシスタイル]のボタンを叩くと、ブラシ選択パネルが出現します。ここで[標準ブラシ]-[ソリッド]を選び[編集]を叩きます。

 ブラシ編集ダイアログが表示されます。
 カテゴリをカスタムにして、名前を「毛髪大」にします。

 筆先の[形]を叩き、[オイル]を選択します。この筆先の模様は自分でも登録できるので、あとで小さい毛髪もこしらえて登録します。
 サイズは、50〜80前後にします。ブラシの形を定義しているファイルを直接見たところでは78×80pixelだったのですが、サイズ50前後のほうがきれいに描写できる気がします。
 他のパラメータも図のように設定して、[OK]を叩きます。

毛髪ブラシで塗ってみよう

 早速、先程の[毛髪大]ブラシを使って塗ってみましょう。
 

 最初サイズ80でスタートし、後にサイズ50に調整しています。これだけで、だいぶ髪の毛らしいサラサラ感が出てきました。あとは、ブラシ色を白(存在)にして削り過ぎた部分を作り直したりして形を整えます。

細いブラシも用意しよう

 サイズ50の「毛髪大」だけでは、細部の描写に限界があります。
 そこで、毛髪は大中小を用意してカスタムブラシを作成します。

新しい画像を作り、このような点を作ってみましょう。サイズは25×25pixel 程度にしています。

これを[編集]−[行き先を指定してコピー]コマンドを使用して筆先のパターンに取り込みます。


すると、筆先のバリエーションとして、最後に「毛髪中」という模様が出現します。

先程「毛髪」ブラシを作成したときとおなじ手順で「毛髪中」ブラシを作成します。
[形]ボタンを叩くと新しく「毛髪中」という模様が見つかりますので、これを選択します。
上図を見ると、「毛髪中」の右上にさらに小さな模様がありますが、これが「毛髪細」です。

このように、ブラシが大中小と揃いました。

あとは写真などをお手本にしながら、気が済むまで毛先を作り込みます。

 ここでは、見やすくするために色を濃くしてあります。また、実際の作品では、色を塗りながら同時に輪郭の最終調整も進めています。

 こういう作業は本来ならPhotoshopが圧倒有利になる分野です。というのは、PP8の場合は先にオブジェクトの形状を編集し、次にその陰影を塗る必要がありますが、Photoshopならば、いきなり毛髪調のブラシで上層のレイヤーに着色しただけで、ほぼ同じ効果が得られてしまうからです。
 しかしながら、PP8でこういった手法を選ぶことにも利点はあります。
 PP8なら、同じ作業をより理論的、論理的に進めることができるという点で少し違いがあります。そしてアルファチャンネルという概念を理解したならば、Photoshopよりストレートにオブジェクト(レイヤー)の透過部分をコントロールできるため、レース柄の透明処理などさらに応用の幅を広げることが出来るのです。
 こういう論理的な実験のできるあたりが、私がPP8を好む理由の一つなのかもしれません。



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