通常、カメラの固定なんて、コピースタンドにネジ固定してしまえば終わりなのですが、そうではない場合について述べてみましょう。
ZC-1000ほか一部のカメラでは、カメラの背中側をネジで固定できる場合があります。これは、動画の下側にタップ穴を空けているような作品の撮影に有利です。
特別に原稿が大きい場合、コピースタンドに原稿が載りきらない、または照明がいきわたらないという問題が発生します。このような場合、図のようにコピースタンドの首を逆さに固定してしまいます。(!!)台側にたっぷり重しを乗せることを忘れないで下さい。
秘技・コピースタンド逆付け法。 大抵は根元のネジで簡単に取り外せるようになっているはず。 |
カメラを見ながら、大体の位置にレイアウト用紙のフレームをあわせてみます。そして、中心部に向かって一杯にズームさせてみます。カメラのファインダーが不正確な場合、ここで中心がズレてしまいます。このズレた中心が、フィルム上での本当の中心となります。(本当はまだ少しズレてるけど)ズームを戻して、傾きがなければ合格です。決まったら、タップの固定位置をマークし、布テープや画鋲で固定しましょう。タップの固定は頑丈に、かつ簡単に取り外せるようにしてください。プロの撮影台では、タップを厚紙に貼り、その厚紙を画鋲で固定すると書いてありました。これならすばやい固定と移動ができ、また様々なサイズの背景にも対処できますね。
フレームを決めたら、高さ合わせのためにぷちぷちを貼り付けて、その上に模様の見やすい新聞などの印刷物を設置し、浮き上がらないように無反射ガラスで圧迫します。続いて、照明を点灯します。
大抵の撮影台の場合、原稿とカメラの距離が短いために、レンズ単体の能力ではピントを正しく合わせることができません。そのため、レンズ前面に「クローズアップレンズ」という部品を取りつけます。
レンズ自体にも「MACRO(マクロ)」という機能があり、これを使えばクローズレンズなしに近接撮影を行うことができますが、しかしマクロ機能には、ズームと同時にピントが移動するという欠点があり、ズームするカットやピントあわせの不都合から、あまりお勧めはできません。
図の位置にあるレバーを動かし、ファインダー内にスクリーンを出します。そしてピントの山を掴みやすくするため、絞りを一杯に開き、一杯にズームインします。「ここだ!」というのはなかなか決めづらいですが、ズームを戻して絞り込めば、結構合って見えるものです。満足したら、リングをテープ等で固定して、ズームを戻します。以降のピント移動を防ぐため、リングに印をつけておくといいでしょう
ZC-1000後部。 |
ファインダーの中心には円があり、その上下が図のように分割されています。これを「スプリット・イメージ」と呼びます。ピントがずれている場合は像が左右に分離します。但し、照明が足りないと、片方が暗くなったり、正しく屈折しなくなったりして、ピントが見えなくなってしまいます。どうも像の分離が確認できないときには照明を確認してください。
Z800の取扱説明書より。中央がスプリットプリズム、画面下部には絞り値が表示される。 |
ここからの作業に入るには、先にフィルムを装填しておく必要があります。カメラが、フィルムのカートリッジを見て露出計を自動で調整してしまうためです。
まず、ブロアー(空気ポンプみたいなもの)を使って、フィルム押さえの付近の埃を吹き飛ばします。1ミリの埃でも、8ミリフィルムの中ではかなりの面積に写ってしまいますから要注意です。
フィルムのカートリッジを詰めます。このとき、フィルムがフィルム押さえの背面を通らないよう気を付けてください。斜めから詰めるとよくこうなることがあります。正確に、真横から詰めるようにしてください。
ZC-1000のフィルム装着部。青線が正解。 |
18%反射版を原稿の位置に設置し、照明を点灯します。
シャッターを半分ほど押し込むと、赤ランプ点灯と同時にファインダー左端のメーターの針がピンと振れます。この状態で、絞りのリングを動かし、針が中央にくるように調整します。
針が中心に止まったら、絞りのリングを見て、1目盛り半ほど絞り込みます。(数字の大きいほうに動かします)1 この移動量は、カメラの個体差にも関係すると思われるので各自フィルムを1本使って試し撮りしてみる必要があります。
ZC-1000の取扱説明書より。画面右端の2つの突起の中央に針が来るとOK。アニメの場合はさらに補正が加わります。 |
ZC-1000以外の露出決定はオートマチック機構が装備されています。そこで、18%反射版を原稿台に設置した状態で露出を測定し、そのまま絞りEEロックをかけて針が動かないように固定します。絞り値はファインダー上部または下部に針で示されています。
これも少しずつ明るさのセッティングを変えて試し撮りしておく必要があります。Z800ならEEロックダイヤルを引き出して回すと絞りを手動決定できますが、Z450ではこれがロック機能しかありません。こういう場合、どうやって自動絞りで望み通りの絞り値を出してロックするか?・・・それは、カメラの前を半分ほど手で塞いでしまうのです。
ビデオカメラでは一般に、単体で近接撮影まで対応するとかカタログには書いてありますが、実際には特定のズーム域だと近接撮影のピントが合わないという仕様になっていることもよくあります。その場合にはクローズアップレンズを前面に装着して対処します。
回転式のズームレバーが外部に出ているモデルの場合はラッキーです。回転式ズームではズーム位置にかかわらずピント位置が一定なので、最大にズームアップしてからピントを合わせるようにすると、ピントの山がはっきり出るので最も厳密なピント決定ができます。
ビデオの場合、電動ズームとオートフォーカスの組み合わせが当たり前になっているため、レンズ設計を簡略化した結果として、ズームを動かすとピントが動いてしまう仕様になっているものがよくあります2。そういうモデルの場合、オートフォーカスにお任せするしかありません。しっかりテレビ画面で確認しましょう。
ピントがはっきりしたら、オートフォーカスを切ってそのまま動かないようにします。
ビデオカメラの場合、大抵の機種では自動露出でどのような数値設定が出ているのかを知る方法がありません。そのため、絞りとシャッター、ゲインをマニュアルにして、テレビを見ながら決めるしかなさそうです。
まずゲインを±0に固定し、シャッター速度をできる限り低く設定します。それで、絞りを動かして画面を適切な明るさに調節します。
当会のビデオカメラの場合、困ったことに、この3点の数値を固定しても、毎回明るさが違うことがあります。絞りを明るい側から合わせた場合と暗い側から合わせた場合で、同じ数字のはずなのに見え方が異なるのです。そうなると、結局は目とテレビが頼りになってしまいます。これだから、歯車のないカメラは信用ならないのです。まったく4。
コンピュータを併用している場合、モニターでの見え方がテレビと全然違うことがあります。この場合、テレビを基準にしてください。パソコンモニターとテレビは発光特性が違うため、パソコン上ではすごくくすんだ画像になってしまうかもしれません。でも、取り込んだ映像を再度テレビに出力させてみればちゃんと色が戻っているので、慌ててはいけません。
でも、取り込み画像をCD-ROMなどモニターでの鑑賞に供する場合などは、やはりしっかりと明るさを調整して取り込む必要があります。